BENchmarkブログ
【第534回】メディアの怖さ
先日クライアント様からとある業種の情報誌をいただき目を通していたのですが、内容的には「これからヤバいよ」「ここの会社が業績を伸ばしているよ」という内容でした。実はこの情報誌は私もサラリーマン時代目を通していた業界紙でした。感想としては「まだこんなことやってんだ」です。その情報誌の編集者と話していて今でも覚えているのは「ある程度不安を煽らないと買ってもらえませんもん」と言う言葉。人間みんな不安でいっぱい。未来に何があるか知りたくてしょうがないのです。だからこそ不安を煽り、ヒントを与えると人はその情報を求め、そこにお金が発生する。この手の手法は営業でも宗教でも取り入れているところはあります。経験を積むとある程度現状から未来を予測することはできますが、必要以上に恐怖心、不安感を煽る必要はありません。ただ、100歩譲ってこれからの業界の流れに警鐘を鳴らすことは良しとしても、私が一番問題視していることはこの業界紙が「ここが業績を伸ばしている」と言って持ち上げている会社の多くは「派手には見せているけれど経営的にはジリ貧」「キレイに装っているけれども中身はクレーム量産企業」ばかりを持ち上げている姿勢です。おそらく悪意があってやっているのではなく、本当に見抜けず見定めず取材し発信してしまっている。分析力がある会社は「あ~こりゃ偽物だわ」と分かるものの、分析力が疎い会社は素直に受け入れて失敗する。TVも含め、メディアの情報は「ある程度」と思って受け入れないと間違った判断をしてしまいます。じゃあどうすればいいのか?それは自分の足を使って、現場を見て、常にアンテナを立てて圧倒的な数をこなす。これに尽きるんじゃない?
【第533回】世界的なリストラの動き
2022年Twitterの大量リストラ、その次はFacebookやInstagramを運営するMetaのリストラ、アメリカ大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーでもかつてない規模のリストラ。資本主義の国を筆頭に昨年から大量のリストラを行っています。日本は「終身雇用」を「美学」とする傾向があるので、「社員のリストラ」に関しては難色を示す経営者が多いのですが、こうもアメリカでの大手リストラが続くと不思議なもので政治家も経済ジャーナリストも手のひらを返して「景気を上げていくためにはリストラは必要!」と力説していることに若干違和感を感じますが、私は個人的に「リストラ推奨派」です。リストラというと「首切り」のイメージが強いかもしれませんが、例えば文房具一つにしても、電気代一つにしても「無理無駄」を排除するために日々「何をリストラできるか」を考えていくのも経営においては大切なことです。また、社員に関しても「頑張っていない社員」は当然ながら「成果を出していない社員」もリストラしていかないと、「頑張っている社員」や「成果を出している社員」のモチベーションが下がってしまいます。会社は社員を守るもの。ただその分社員も会社を守っていかなくてはいけません。この両思いが成り立つからこそ、会社が存続し体力をつけていくことが出来るのです。一番最悪なのは「共倒れ」。こうなってしまうと、どれだけ大切に思っていても「助けられなくなる」ので、そうならないように日々成果にこだわって経営を進めていかないといけません。ただ、そもそもこれからの組織の在り方としては「大きくしていく」というビジネススタイルはどんどん変化していくことが容易に想像できるので自分自身の「こうあるべき」という意識自体をリストラしていく必要があるかもしれません。一緒に長く頑張っていくためにも今頑張りどころじゃない?
【第532回】「楽」なのと「楽しい」のは違う
「楽(らく)」と「楽しい」は同じ感じでも意味が違います。一見「楽」と見ればポジティブに捉えられるかもしれませんが例えば「仕事で楽をする人」。一時話題になった「働かないおじさんたち」のように、朝会社に来て、特に何かをするわけではなくネットサーフィンをして定時に帰ってお給料をもらう。これは「楽」かもしれませんが楽しくはありません。一生懸命チャレンジしている人に対し後ろめたさもあるでしょうし、情熱を無くしてしまった自分に嫌気がたつことでしょう。そもそもそんな感情もないかもしれません。ただ、そうなってしまっては非常にもったいない人生です。ぬかるみに浸りながら、それでも希望と期待を持って右往左往しながら苦悩してそれでも前に進んでいく。それを「充実」と呼ぶのでしょう。人生は有限。今の一秒ごとにどんどん終わりに向かっていきます。人間誰しも年を重ねると頭も体も自由がきかなくなってきます。そうなったときにこそ「楽」が出来るように今をしっかり頑張る。それも楽しさを見出しながら限られた時間と機会をしっかり味わいながら突き進んでいく。そこまでやって「今回の人生はやりきった!」と言って素敵な笑顔でこの世を去れるんじゃない?
【第531回】バケツから水がこぼれるまで
私が思う最強の能力は「コツコツ頑張る力」です。デザイン性に優れている、コストパフォーマンスが優秀である、色々成功の要因としてはあるかとは思いますが、根底はこの「コツコツ頑張る力」が必須になってきます。生まれて初めてのチャレンジで一発成功!それもずっと継続的に!!なんてものはあり得ません。むしろ長く安定的に成果を出し続けている人や会社になればなるほど「コツコツ頑張る力」が秀でています。それはまるでバケツに水を貯める行為に似ているかもしれません。大抵の人はバケツから水が溢れる寸前もしくはもっと早くに諦めて水道の栓を止めてしまいます。ただ、バケツには必ず「許容量」があります。必ずどこかのタイミングで溢れ出るのです。成果が出ている人とそうでない人の差はほとんどありません。ほんのちょっとの差なのです。誰しもが成功も出来るし、気を抜けば成果を出すことが出来ない状態に追いやられます。ただ、どんな時でも大切なことは、常に冷静に、心をニュートラルな状態にして「コツコツ頑張る」。これがある人はどんな状況でも強いです。じゃあどうやってその力を身に着けるかって?それは日々のたゆまぬコツコツした努力じゃない?
【第530回】普通にやっていれば
これは常日頃から私がクライアント様にお伝えしていることですが、「普通にやっていれば売上の7割は既存顧客で賄える」ということをお伝えしております。優秀な会社は当然ながら売上の8割から9割は既存顧客からのリピート受注や紹介受注でやりくり出来ています。ただ、そこまでいかなくても普通にやっていれば7割は既存顧客からのリピート受注、紹介受注でやりくりできるはずなのです。もし、現状のあなたの会社の売上構成比が新規受注のみで構成されているのであれば、それは「お客様にファンになってもらえていない」ということです。どれだけ売上があっても、新規開拓が上手でも「ファンになってもらえていない」ということは「商売として全然成功していない」ということです。だって商売とは「人のお役に立ち喜んでもらって対価をお預かりするもの」だからです。新規開拓ばかりしてひぃひぃ言いながら続けているのは「自転車操業」で、継続的な商売ではありません。じゃあここで言う「普通」って何?ということなのですが、ここで言う普通とは、社員がちゃんと挨拶が出来る、礼節をわきまえている、接客スペースは清掃が行き届いている、感謝と敬意を持ってお客様や取引先と携われている、スタッフ全員で携わる人の幸せづくりに貢献しようと全力を尽くしている、これだけなのです。「そんな発想思いもしなかった!」というミラクルプランではないのです。「誰もが知っていること」なのです。でも、そんな誰もが知っている当たり前のことが当たり前に出来ないから、弊社のような伴走者が重宝されているんじゃない?