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【第534回】メディアの怖さ
先日クライアント様からとある業種の情報誌をいただき目を通していたのですが、内容的には「これからヤバいよ」「ここの会社が業績を伸ばしているよ」という内容でした。実はこの情報誌は私もサラリーマン時代目を通していた業界紙でした。感想としては「まだこんなことやってんだ」です。その情報誌の編集者と話していて今でも覚えているのは「ある程度不安を煽らないと買ってもらえませんもん」と言う言葉。人間みんな不安でいっぱい。未来に何があるか知りたくてしょうがないのです。だからこそ不安を煽り、ヒントを与えると人はその情報を求め、そこにお金が発生する。この手の手法は営業でも宗教でも取り入れているところはあります。経験を積むとある程度現状から未来を予測することはできますが、必要以上に恐怖心、不安感を煽る必要はありません。ただ、100歩譲ってこれからの業界の流れに警鐘を鳴らすことは良しとしても、私が一番問題視していることはこの業界紙が「ここが業績を伸ばしている」と言って持ち上げている会社の多くは「派手には見せているけれど経営的にはジリ貧」「キレイに装っているけれども中身はクレーム量産企業」ばかりを持ち上げている姿勢です。おそらく悪意があってやっているのではなく、本当に見抜けず見定めず取材し発信してしまっている。分析力がある会社は「あ~こりゃ偽物だわ」と分かるものの、分析力が疎い会社は素直に受け入れて失敗する。TVも含め、メディアの情報は「ある程度」と思って受け入れないと間違った判断をしてしまいます。じゃあどうすればいいのか?それは自分の足を使って、現場を見て、常にアンテナを立てて圧倒的な数をこなす。これに尽きるんじゃない?