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【第646回】ホスピタリティの特化は危険
お客様によりご満足いただくため、ファンになってリピーターしていただくために「ホスピタリティ」を磨いている会社は多いのですが、ホスピタリティは特化するものの肝心の商品やサービスの品質向上をしていない会社はたくさんあります。3~5年ほどでわりかし短期間で成果を出し成長する会社にこの傾向が強く見受けられます。営業戦術的にホスピタリティを強化し、お客様や取引業者に愛情を持って接するのではなく「テクニック」で接することを覚えてしまった会社は、いかんせん芯の部分がわかっていないので付け焼刃のホスピタリティを身に付け少し成果が出た時点で勘違いし暴走し、いつの間にかファンが減っていき衰退していくケースがあるのです。ホスピタリティはあくまで顧客満足の方法の一つに過ぎません。どんなに対応が良くても、商品の品質が良くなければお客様にご満足いただくことは難しいのです。「これをやったら台無し」というものはあっても「これだけやっておけばOK」というのがないのが商売の面白いところ。だからこそ経営者は四方八方に目を配り、気を配り油断せず慢心せず商売をしていかないといけません。結局は「お客様に喜んでもらえるために常に全力を尽くす」という「やり方」ではなく「あり方」が大切なんじゃない?
【第641回】マーケティングをジャックされていないか
経営にはたくさんのスキルが必要です。営業力、経営力、そしてどんなに良い商品を持っていても見つけてもらえないことには人の手渡らないので「発信力」いわゆる「マーケティング力」が何よりも重要だと思うのですが、多くの上手くいっていない経営者が「マーケティング」を「他者に丸投げしている」ということがあります。ホームページ業者に丸投げ、広告代理店に丸投げ、ひどいところでは責任がない素人のパートスタッフに丸投げ。また、ホームページ業者や広告代理店は悪質な会社が多いので敢えて相手が分からない専門用語をつかって「分かりづらくさせることによって何も言わせない状況」に持っていく業者が非常に多いので、知識が無く、その上プライドが高くて「それどういうこと?」と聞けない経営者だとまんまと丸め込まれてしまいます。自分で分析して自分で対策を考え進めていくのは他者の力を使っているのであればいいのですが、「〇〇さんがこう言ったから」「〇〇さんがこっちが良いっていうから」という理由でマーケティングを丸投げしているのは、せっかく自由な飛行機の旅を楽しむにも関わらず行先等自分で決められないハイジャックされている状況と一緒なのです。残酷なのはジャックされている状況を分かっていないということ。幸い今インターネットやSNSで素人でも簡単に情報が手に入る時代です。webの専門用語を少し頭に入れておくだけで相手に騙されずに済みます。ググればいいのです。私も多くのクライアント様がホームページ業者との打合せで「相手が何を言っているかちんぷんかんぷんだから同席してくれ」という理由でホームページ業者と打合せさせていただく機会が多々ありますが、現状約60社ほどのホームページ業者、広告代理店とミーティングしてきてまともな会社は1社のみ。あとは根拠のない適当なことばかりを言って高額請求する詐欺軍団ばかりです。騙す方が圧倒的に悪いのですが、騙されないようこちらも知識武装していかないといけません。あなたは、あなたの会社がどのような人に、どんな方法で、どんな金額で、自社の商品やサービスでどのように喜んでもらうかを考えた上で自社の情報発信が「的確」に出来ていますか?
【第637回】理想的な商売とは
株式会社BENchmarkがクライアント様やセミナー講師の際に提案していることは「ストック型経営」です。私自身社会人として営業の道に進み、それから起業するまでの13年間とにかく営業に特化してきて最後の5~6年程で「自分がとても楽」と思ったのがストック型営業でした。焼き畑式にどんどん新規開拓をしていくのではなく、ご縁を授かった顧客の成功にとことん尽力し、自社の商品を「標準採用」していただく。それまでは「1年頑張ったら一度成績をリセットしてまた0から頑張る」という従来の営業スタイルよりは、顧客と一緒に成長し、成功していく。「顧客が2年、3年先の売上まで確定している=自分の売上も2~3年はある程度見える」という安心感と、やればやるほど楽になる状態がとても心地良かったので今でもストック型営業、ストック型経営を提案しています。本来商売とは「やればやるほど楽になる」のが理想的な商売です。どんどん顧客が蓄積されていく、顧客との関係が深くなる、応援してくれる人が増える、もっと応援してくれるようになる、設備投資等で出ていくお金はどんどん減っていき、しっかりお金が貯まるようになる。これが王道の商売です。ここでカギとなるのは「顧客の蓄積」です。いかにご満足いただくか、ファンになっていただくか、どこまでいってもこれに尽きるのです。やればやるほど苦しくなる商売は「何かが間違っている」のです。それが資金の振り分け方なのか、戦略的なところなのかの理由は多々あるかもしれませんが、どこまでいっても商売は「お客様あってのもの」です。お客様とはお金をお支払してくださる方もそうですが、これからお金をお支払してくださる人になるであろう「お客様候補」も大切にしなければいけません。どこまでいっても人に支えられての商売。あなたは人に支えられるに見合う人を目指せていますか?
【第634回】ベストを尽くしたかどうか
個人的に人生は思った以上に思った通りになると思っているのですが、すべての物事がそうではありません。携わる人が多くなれば多くなるほど思い通りにいかなくなることも増えるのです。また、全てが順風満帆と言う方も少なく、会社経営でも売上は順調でも人材で頭を悩ませていたり、売上や社内の人間関係は良好であるものの、たった一人のクレーマーに心身共に削られていたり、会社経営は最高でも家庭内が上手くいっていなかったり、日々いろんな相談をたくさんのクライアント様からいただくのですが、そのときに生意気ながらお伝えさせていただいていることは「ベストを尽くしているかどうか」です。例えば、部下や後輩に意地悪をしていたら辞めていきます。ただ、一生懸命その人のことを考えて接していても辞めていくときはあります。そんな時辞めていった社員に対して申し訳ない気持ちや後ろめたい気持ち、自分自身の立ち振る舞いを後悔することがあるかとは思いますが、大切なことは「ベストを尽くしたかどうか」です。もしベストを尽くした上で上手くいかなかった場合は「しょうがない」のです。だってベストを尽くしたんだもの。こと人付き合いに関しては相手もあることなので100%自分の思うようにはいかないもの。逆に100%自分の思うように相手が動いてくれるのであれば、それは完全に自分が相手を洗脳しているのです。ヤバイ奴です。自身の利益のために相手をコントロールする、そんな奴にはなってはいけません。とにかく相手の将来得るであろう不利益を回避するために全力で指導する。それが人の上に立つ人間のミッションってやつじゃない?
【第626回】金銭感覚
金銭感覚は麻薬と一緒で、一度上げてしまった金銭感覚はなかなか下げることが出来ません。経営者は使ったお金を「経費」として計上する機会が多いため、どうしても公私混同してしまい金銭感覚が麻痺する人も少なくありません。わたしが知っている人でも、銀行の借金の返済に苦しみ、取引業者への支払いも遅延していて、「お金がない、お金がない」と言っているにも関わらず、家族でちょっと良いお寿司屋さんで食事をしているという、まともな人からすれば「異常な行動」にも関わらず本人がそれを自覚していないという人がいらっしゃいました。当然取引業者はそんな姿を見て「応援したい!」と思えるはずもなく、応援どころか「あの人とは関わっちゃダメ」という悪い口コミを広げ、結果どんどん追い詰められた状況にも関わらず、一度上げてしまった金銭感覚を下げることが出来ない姿は滑稽を通り越して可哀そうとさえ思ってしまいます。人は大なり小なり嫉妬心があるもの。お金を手にした時こそ周りは良く見ているもので「あの人お金が入った途端にあんな使い方するんだ」という噂は自身が思っているより早く周りに広がります。とことん突き抜けてしまえばいいのですが、大抵の人が仮に一瞬は突き抜けることができても、それを継続していくことは困難です。それは歴史が証明しています。良いか悪いかは別として、わたしはそもそもサラリーマン時代でも有難いことに日本人の平均年収の倍以上お給料をいただいていたのですが、起業してからその所得も3倍~4倍となっているにも関わらず、今のほうが起業前よりも随分ケチになっています。出来る限り高速は使わず一般道で移動し、身に付けるものも昔からあるものをずっと使い続けています。車も国産車で、時計もチープカシオ(¥1,000)です。経営者の中では断トツにお金を使っていませんし、現に顧問税理士や保険屋さん、銀行員からは「やばいくらい使いませんね」と言われますが、それでも経営者の中では断トツに幸せに生きられていると思っています。お金に困らず、人間関係も最高、あえて言うなら時間をどう作っていくかですが、この1ヶ月毎日30~1時間はランニングに時間を費やせています。家族仲も良好。これ以上の幸せがあるでしょうか?お金を使うことによって幸せを感じるのは一過性のもの。にも関わらず中毒性があって「もっと、もっと」となってしまうのですが、お釈迦様ですら「足るを知る」ことの重要性を説いているのだからこそ、「お金を使わなくても十分に幸せ」と思える思想こそが、生きていく上で最強のスキルなんじゃない?