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【第811回】結局景気ってあまり関係ない
株式会社BENchmarkが顧問をさせていただいている業種の8割5分は戸建住宅を手掛ける「建築業」です。今建築業を取り巻く環境は非常に厳しいと言われているのですが、有難いことに弊社クライアント様は過去最高益をどんどん更新している、もしくは維持できている、会社によっては「これ以上お客様が来られても対応できない」という状態になっています。完全に世間と逆行しています。なぜそうなるか?それは「やるべきことをちゃんとやっているから、それも継続的に」という非常にシンプルな理由からです。全国シェアの50%以上を握っている会社であれば景気に左右されるかもしれませんが、地域の中小企業で年商10億未満の会社であれば、実はそこまで景気に左右されることはありません。ではなぜ業績が悪くなる会社があるのか?その理由の多くは経営者やそこで働く人の「怠慢」です。ちゃんと挨拶が出来ているのか?社内・車内は清掃が行き届き整理整頓されているのか?トイレは常にきれいな状態を維持しているのか?「忙しいから」と問題を先送りにするのではなく、定例ミーティングは丁寧に行われているのか?ミーティングで決まったことを確実に、着実に取り組んでいるのか?「自分以外はお客様」という意識を持って、お客様だけではなくお取引先や自分以外の人と携われているのか?メールの返信等含め、丁寧な対応が出来ているのか?応援しがいのある人になれているのか?これがしっかり出来ていて商売に困るはずがないのです。基本が出来ていたら必ず助けてくれる人が助けてくれます。助けてくれる人がいないのは、何かが出来ていないのです。基本を押さえていないにも関わらず、やれ新しいマーケティング手法を取り入れるや、やれ新商品を導入しようとしても根本的なところは解決しないのです。コツコツするのが勝つコツ。基本に忠実に。業績が悪いのは景気のせいじゃなくて、あなたの立ち振る舞いなんじゃない?
【第802回】自分の「世界」があるのか?
あなたの会社は、ホームページやSNSで発信しているものに「個性」や「独自の世界観」は出せていますか?多くの会社が「それっぽく」は作っているものの、「個性」は出せていません。例えば弊社の顧問先の多くは「建築業」です。建築業で戸建住宅を手掛ける会社のホームページのほとんどが「住む人が笑顔で…」「高気密高断熱の優れた性能で…」「丁寧な対応で…」とどこもかしこも「同じ内容」です。これでは差別化もクソもありません。「何が好きで、何が嫌いか」「何が得意で何を大切にしているか」「どんな歴史を経て今の考えに辿りついたのか」など、「その会社にしかないもの」を発信している会社がほとんどありません。弊社のクライアント様の中でもぶっちぎりで成果が出ている会社の共通点は「優しく明るく楽しく温かく、でもちょっとアホ」です。ホームページもカッコいい、おしゃれというよりは「世界観」を出している会社が成果に繋がっています。「誰かに好かれるために立ち振る舞った発信」も良いのですが、「自分を出してそれに共感してくれる人が集まる発信」のほうが来られるお客様の層としてはストレスなく永く一緒にいられる親友のような存在になるんじゃない?
【第799回】本業が上手くいっていないときに新しい事業をするのは危険
景気が悪くなってくると業種を問わずたくさんの企業が「新しい事業」に手を出しがちです。ただ、これが本当に危険。特に「新たに銀行から借り入れをして起死回生を狙う」ということが本当に危険です。新たに取り組む事業が「挑戦」であればいいいのですが今上手くいっていかないからこその「逃げ」であれば即中断した方がいいと思います。そもそも事業を起こすということには相当な覚悟と労力が必要になります。商圏エリアをどこに設定するのか?その中でシェアをどれくらい獲得し、売上として年間いくら見込めるのか?エリアにおける競合はどのくらいいて、勝てる見込みはあるのか?どのようにライバルと差を付けるのか?これらを明確にし、具体的なスケジュールを立てて実行していく。これくらい新規事業をするには覚悟と労力が必要になるのです。中途半端な覚悟であれば、本業の業績がより悪化する可能性もあります。だからこそ、新事業をする前に「本当に本業で成果を出せないのか?」「上手く行っていたときと今の違いはなにか?」「どうすれば上手くいくのか?」を見つめ直し腰を据えて一つ一つ丁寧に取り組んでいくことを最優先にしたほうが成果は出やすいんじゃない?
【第794回】予測に「期待」は入れない
経営者や営業マンであれば常に「見込み」を立てた上で経営なり、営業をしていかなくてはいけません。「売上〇〇万に対して、今月■■社が〇万、〇〇社が〇万、★★社が〇万の売上見込みがあって…」とノルマや計画に対して数字の予測見込みを立てていき対策や戦略を練るのですが、その際に気を付けないといけないことは「予測に期待を入れない」ということです。「正直今月は売上が厳しいなぁ、ただ資料請求があったからそのお客様で〇万見込んでおこう!」や「新規開拓で今月あそこの会社に飛込み営業をかけるから、そこで売上〇万くらい目指すとするか!」という根拠もない「期待」を予測に入れてしまうと「数字に対しての執着」がなくなってしまいます。そうなるとどうなるか?「必死に悩んで知恵を出す能力」が失われます。画期的な戦略は追い込まれて追い込まれて、それでもなんとかならないかと必死で考えた上でしかでないものです。そしてそれを「成長」と言います。売上に困っているという状況はそれだけ成長できる機会であることを念頭に置いておかなければいけません。逃げたくなる気持ちも分かります、目をそらしたい気持ちも分かります。ただ「期待」という「逃げ」に走ってはいけないのです。あなたの苦難はあなたを選んで目の前に現れてくれたものです。人生あと何回本気で悩める?苦しい状況をしっかり未来の自分の肥やしにしてやればいいじゃない?
【第783回】成果も出していないのに給料を与えちゃうと…
今年も夏のボーナスの時期になりました。今年の大企業の従業員一人あたりのボーナス平均が98万3112円とのこと。ただ、実質賃金が2年連続でマイナスになっているくらい国民の生活は豊かになっていません。国民の生活が豊かになっていないということは、日本の企業が豊かになっていないということ。中には「今年の夏はボーナスが出せない…。」という企業もあるかと思います。ただ、そんな中でも優しい経営者や人の目を気にしちゃう経営者、ファンタジーを求める経営者は「社員を食わしてやらないと!」となけなしのお金をボーナスとして渡すのですが、これはNGです。だって成果が出ていないにも関わらずお金をもらってしまうと社員は「成果が出なくてもお金は出てくる」と勘違いして、益々働かなくなるからです。経営者としては「こんな苦しい状況にも関わらずボーナスを出してくれたからもっと頑張ろうと思ってくれるはず!」と期待するものですが、残念ながらそうはなりません。むしろ「えぇ~、うちの会社ボーナス少ねぇ~」くらいにしか思っていません。大切なことは社員も「経営者感覚を身に付けること」です。日々どれくらいの売上があって、その中で利益はどこまで残るのか?その残った利益の中で人件費等の固定費はいくらかかっているのか?などなどを教えていかないと、ボーナスの有難みもクソもありません。一番最悪なのは成果が出ていないのにお金を渡してしまうと、「勘違いしたアホ」を作ってしまいます。大手を中心に、新卒の初任給はどんどん増えています。優秀な人を集めるためにお金で釣りたいのは分からんでもないですが、大して能力も経験も持ち合わせていない若者にお金を与えてしまうと、最悪その子の将来を潰しかねない行為です。もし本当に社員を大切に想うのであれば、目先の飴を渡すのではなく、10年後、20年後その子が自分の力で「稼げる人材」にしていくために、ときには「我慢」を覚えさせるのも経営者の努めじゃない?