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【第669回】後継者問題
先日、とても感慨深い場に立ち会わせていただきました。とあるクライアント様での出来事だったのですが、そこは半世紀に渡って事業をされてきた会社で、今の社長で2代目です。そして3代目を継がれる予定のスタッフさんと現社長も交えてお話ししていたときのことですが、次期3代目社長が「創業者と二代目社長が頑張って守ってくれた会社なので、自分もそのブランドを汚すことなく発展させていきたい」的なことをお話しされていたのですが、勝手ながら私の中で何かが引っ掛かりました。率直に言って「苦しそう」と感じたのです。お節介ながら、現社長に「こう言っていますが、仮に彼が今の職種と全く違う仕事に魅力を感じて会社を潰す、もしくは転職するとしたらどう思います?」とお尋ねしたところ「本当にこの子が自分の天職と思って進路を決めることができたのであれば、別に会社をたたんでもらっても問題ない」とのことでした。当然次期社長はきょとんですが、私が彼に伝えたかったことは、創業者や現社長は「会社を守って欲しい」のではなく「幸せになって欲しい」と思っているということです。2代目、3代目、それ以降になればなるほど「自分の代で潰すわけにはいかない!」となりがちですが、実は創業者からすれば、後の代が食うに困らずにいて欲しいと思って存続させてきただけなので、その事業で苦しむくらいなら「とっととたたんでくれよ」というのが本音じゃないでしょうか?むしろ子孫に対して「お前の苦しみはどうでもいい、とにかく続けろ!」なんていうご先祖様であれば「悪霊」以外のなにものでもありません。くわばらくわばら。後継者のみなさん、あなたの社長孝行、創業者孝行は、とにかく楽しんで事業を通じて世の為人の為、自分自身のためにお役に尽くすことじゃない?