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【第650回】助けがいのある人になれているか
「有り難いこと」は読んで字のごとく「なかなか無いこと」にも関わらず人間はポンコツなので有難い環境や関係でも次第に慣れが発生してくると「有り難い」ということを忘れがちになってしまうのも。これは家庭でも言えることで、最初は料理や洗濯、家事をしてくれている妻のことを「有り難いなぁ」と思っていてもそれが毎日続くと次第に有難くなくなってしまい「普通」と勘違いして、結果いつの間にか熟年離婚というケースも少なくありません。人にもよりますが離婚は簡単なものではありません。何故なら法的な契約だからです。では、取引業者はどうでしょう?取引にあたって法的な縛りはそこまで重くなく、お互い相手が気に入らなければいつ切っても切られても罰則がないのが普通です。そんな綱渡りの状態でのお付き合いにも関わらず「買ってやってる感」を出してしまったり、愛想が悪かったらすぐさま相手から見限られてしまいます。先日とあるクライアント様で、私とのミーティング中に営業の電話が鳴ったときのことです。それまでニコニコしていたそのクライアント様が「売込の電話」と分かるやいなや「今打合せ中なんですけど!忙しいからかけてくるな!!!」と言って電話を切る姿を見て、私が「大変ですね」とお伝えすると「そうなんですよぉ」と言ってきたのですが、私が「大変ですね」と言ったのは電話をかけてきた相手のこと。せっかっく勇気を出して電話して、要件を伝える前に怒られて雑に電話を切られる。「なぜ俺がこんな思いをしないといけないんだ!」と人間だったら嫌な思いをします。その旨をそのクライアント様に私がお伝えしたところ、最初ポカーンとしていたので「そんなんやってると、誰からも良いサービスを提供してもらえませんよ?現にわたしは今のあなたの立ち振る舞いを見てあなたのことを軽蔑しています。なんなら顧問契約を解除します。」というところまでお伝えさせていただきました。弊社の業務委託書には「お互いのブランド価値を下げる場合は直ちに契約解除できるものとする」という項目を明記しています。人に優しくない人とお付き合いしていると、こちらも同類になってしまいます。電話を雑に切られた相手からしたら、一緒にいる私も同類で同罪です。ひとしきりお伝えさせていただいた上で、そのクライアント様は「配慮が足りていませんでした、申し訳ない」に加えて「今後気を付けていきますが、また私の悪い癖が出たらご指導ください」と年下の私に頭を下げてくださったのです。ここがこの人の素敵なところ。100%良い人もいなければ100%悪い人もいないのですが、大切なことは「助けがいのある人になれているか」ということ。助けがいのある人とは、いつも感謝し、人に敬意を払い、常に謙虚な姿勢で自分の成功は人様のお陰、自分の失敗は自身の実力不足と真摯に受け止められる方なのです。実際わたしもまだまだです。ただ、私には最高のお手本がいます。それは妻です。見返りを求めるわけでもなく、常に人に愛情を持って接し、自身の成功よりも、先に相手の幸せのために尽力する。教科書のような人です。こんな人が一番近くにいてくれているからこそ、私は誰よりも学ばないといけないと本気で思っています。