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2023-01-29 18:18:00

【第512回】ジーンズの販売員

昔輸入商社時代の話ですが、仕事柄「現場」に足を運ぶ機会も少なくありませんでした。ここで言う現場とは、新築やリフォームを施工している現場のことです。職人さんとも関係を築き「ここの住宅会社はこれから仕事量が増えるらしいぞ」「ここは最近支払いが悪い」などなど情報取集も兼ねて、時には体も動かし現場の職人さんからも色々教えてもらっていたのですが、その際現場の職人さんたちはスーツで現場にお伺いすることを嫌う傾向がありました。理由は「汚れないか心配してしまうから」です。なので、現場に行く際は作業着や、当時から「作業着=ダサイ」と思っていたので基本ジーンズやスキニーパンツでお伺いしていたのですが、私はジーンズに特にこだわりがなく、それこそ無難にEDWINの503でも購入するかなと思って入った洋服屋さんで、若い販売員が「何をお探しですか?」と対応してくれたので、作業着用で安いジーンズを探している旨をお伝えしたところ目をキラキラさせながら「ジーンズうんちく」を教えてくれました。「このブランドはこんなストーリーがあって…」「このデザインはこうした過程から生まれた芸術で…」聞いていて飽きることはなく、「この人は本当にジーンズが好きで、この仕事が好きなんだなぁ」と感じさせていただきました。よくわからないなりに「じゃあオススメ買います」と言って購入したことを思い出しました。今あの若者はどうしているんでしょう、今でも好きなものを目をキラキラさせながら取り扱ってくれていたら嬉しいなぁとふいに思い出した今日この頃です。