最新ブログ
【第462回】無策で事業規模を拡大していくことは愚の骨頂
「売上を上げたい」「会社の規模を大きくしたい」、たくさんの経営者から相談を受けますが、実はこれってそんなに難しくないのです。物事を大きくするのは案外簡単で、やり方のノウハウもちょっとその気になればいくらでも手に入ります。また、経営コンサルタントからしたら「目標が単純」なので、コンサルしやすい内容にもなります。また、経営者自身も売上さえ伸ばしていたら周りからちやほやされるし、色んな人がヨイショしてくれるので売上・規模を伸ばしていくことを目標とすると「考えなくていい」ので楽なのかもしれません。
ただ、ここが大きな落とし穴。物事を大きくすることは簡単ですが一度大きくしてしまったものを維持すること、もしくは小さくすることは非常に難しいのです。これを知らない人はたくさんいますが、知っているけれど教えない人も案外多くいます。なぜ教えないのか?それは自分の商売にならないからです。
弊社もコンサルティングとして当然経営指南もしていきます。売上が少ないところは目標売上を達成出来るよう戦略を提案し、一緒に頑張って成果に繋げていくのですが、「必要以上に売上を増やすこと」は決して提案しません。なぜならクライアント様が不幸になることを知っているからです。
私のお世話になった方で、当時売上1億ほどだったのが短期間で20億ほどの企業に成長された方がいらっしゃいます。ただ、その方と久しぶりにお会いしたのですが、全然楽しそうじゃないんです。理由を聞くと、「ここまでの規模になると、自分でコントロール出来ない、止められない」とのことでした。
この「自分でコントロール出来ない」というのは非常に大きなストレスです。本来我々は売上を稼ぐために生きているのではありません。幸せになるために生きているのです。自分で始めた事業が自分を苦しめるなんてことはナンセンスなのです。だからこそ、自身の「腹八分目」を理解した上で事業を進めていかないと、周りから金づるにされて困ったときにポイっとされるのが目に見えているんじゃない?