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【第448回】お客様からのチップ
先日とあるクライアント様先でお客様からの「チップ」の話になりました。そのクライアント様は、毎月のミーティングの際に社長以外にも若手スタッフを中心としたメンバーでミーティングに参加されているので、丁度良い機会だったので「お客様からチップを渡された際の対応」についてレクチャーさせていただきました。各スタッフに「お客様がチップを渡してくれたらどうする?」と質問すると、大体は「お断りする」というものでした。ただ、もう少し深堀していくと、「一度はお断りし二度目にいただく」という答えや「ダッシュで逃げる」という面白い回答もあったのですが、私が指示したことはそのどれでもありませんでした。私自身サラリーマン時代数多くのお客様から有難いことに「謝礼」としてチップを渡される場面が多々ありました。「受注が取れたお礼として」「いつも助けてくれるお礼として」「これからも助けて欲しいから気持ちとして」。営業マンとして高い評価をして頂けたことは非常に誇らしく、何よりも嬉しい瞬間ではあったものの、結果私は一度も「謝礼」「チップ」を受け取ることはしませんでした。理由としては「損をする」ことが分かっていたからです。「あいつは会社に隠れてお金をもらうやつだ」「あいつは内緒で副業している」みたいなことを言われたら、目の前のお金を受けとるメリットよりも断然デメリットの方が大きいのです。そして何より「そんなつもりでやっているんじゃない」という自分の美学に反することで、自分の魂が汚れるとさえ思っていました。ただ、せっかくのお客様からのご厚意を無にするのも失礼な話。だからこそ以下の言葉をお伝えしていました。
「私の行動に感謝して評価してくださるのはとても嬉しいです。本当に有難う御座います。ただ、このお金はいただけません。何故なら私は会社の代表としてお付き合いさせていただいております。だからこそ、私だけ評価を受ける訳にはいきません。なので、もし差支えなければこのお金でまた弊社の商品を購入してください。そうすれば会社も潤いますし、私も私以外のスタッフも潤います。なので是非また買って下さい!」とお伝えしていました。
どうなると思います?お客様が私と会社のことをとことん信頼してくださるのです。そして、これには更なる嬉しいことがあり「口コミ」が発生するのです。「あそこの会社のあの営業マン凄いぞ」「あの営業マンに一回会ってみな」と、どんどん会社と個人の価値が上がっていくのです。そして、更に気持ちよく商品を購入してくださるようになるのです。目先のお金に目がくらんで手を伸ばすより、将来の自分に投資していただく。長期的に「みんなが幸せになる道」を選ぶことも商売人にとって大切なことじゃない?