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【第434回】有能なコンサルタント
先日クライアント様から「気分を悪くすると申し訳ないんですが…」と前置きがあり、詳細をお伺いすると「飛び込みで来た経営コンサルから提案を受けて、そのコンサルの取組みをやっていこうか悩んでいる」とのことでした。おそらくそのクライアント様は私というものがいるにも関わらず他者からの提案を受けるという事は、私がへそを曲げてしまうのではないかと思ってお気遣いいただいたのですが、私のアンサーは「がんがん提案受けて欲しい」とお伝えさせていただきました。理由としては、私自身「一神教」ではないし、「成功の方法」は無限にあるし、私はその成功の方法を無限に知っている訳ではないのです。そして、なにより私のゴールは「クライアント様の成功」です。その為になることであれば猫の手も借りたいというのが本音のところです。だからこそ、そのコンサルの方からどんどん提案を受けて欲しいとお伝えしたのですが、その提案内容を聞いて「やっぱり辞めといたら?」とお伝えさせていただきました。
理由としては月々のコンサル料が高額であること、成功事例で出してきた他社事例が何年か前でここ最近の成功事例を案内していないこと、そして何より「飛び込み」で提案してきたこと。
人間不思議なものでお金を支払うと「やった気持ち」になってしまいます。それも高額であれば高額な分、その気持ちは大きくなってしまいがちです。また、成功事例で何年か前の情報を出してくるという事は、それだけ「ここ最近成功事例がない」ということです。そして一番の問題は「飛び込み」です。優秀なコンサルになればなるほど「成果を出し続けます」。成果を出し続ければどうなるか?顧客が離れなくなるのです。そうなるとどうなるか?そのコンサル自体が口コミやらリピーターから求められる存在になり当然ながら「忙しくなる」のです。なので、有能なコンサルになればなるほど、「飛び込みをしている時間がない」のです。
株式会社BENchmarkもカテゴライズとしては「コンサル業」です。自身でもこの仕事をやる前は「ある程度成功したらみんな卒業していくのかな、だいたい2年くらいでクライアントが入れ替わっていくのかな」と思っていたのですが、とんでもない。有難いことですが成果が出れば出るほどみなさんありとあらゆる手を使って顧問契約を継続してくださいます。そしてそうなると、やはり口コミや紹介でどんどん会う人の数も増えてきます。ただ、コンサル業は難しいもので「私の提案を私意外が簡単に出来ない」という難点もあるので「人を増やすて事業を拡げていく」ということがやりづらい職種でもあります。だからこそ現状弊社でも新規顧問依頼に関しては半年~1年程待っていただいています。とても飛び込みをしている時間がないのです。
その旨を前述したクライアント様にお伝えさせていただくと「確かに、やっぱりやめておこう」という話になるのです。人間はずっと「不安を抱える動物」です。だからこそうまい話があればすがりたくなってくるもの。それも苦しければ苦しいほどすがりたくなるもの。だからこそ、そんな時こそ冷静に、客観的に、俯瞰して物事をみていくことが必要なのかもしれません。
うまい話ってそんなにないんじゃない?